「媚薬」蜂蜜からバイアグラ成分、仏当局が警告 深刻な健康被害も

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 フランス当局は7月27日、媚薬効果を謳う製品に、重大な副作用が疑われると警告を出した。この警告は、フランスの薬事監視当局の医薬品・保健製品安全庁(ANSM)と、フランスの経済・財務省に属する競争・消費・不正防止総局(DGCCRF)および関税・間接税総局(DGDDI)の連名によるものだ。

◆バイアグラと同じ成分
 当局の挙げる商品は、いずれも媚薬効果を謳う蜂蜜(仏当局リコール商品サイト)やゼリー、ジャムで、食品あるいは栄養補助食品として「インターネットやSNSを介してフランスで違法に流通している」ものだ(ANSMサイト)。これらの製品の成分は、天然由来の植物と表記されているが、DGCCRFとDGDDIの共同研究所で分析したところ、シルデナフィルやタダラフィルといった薬剤成分が含まれていることが確認された。シルデナフィルはバイアグラの有効成分として知られ、タダラフィルも同じくED治療薬に用いられる薬剤である。

 これらは「強力な血管拡張剤」であるため、心疾患を持つ人には深刻な副作用をもたらすことがある。そのためED治療薬は、日本と同様フランスでも医師の処方箋なしでは入手できない。

Text by 冠ゆき