コロナ後遺症の原因か 英大学が自己抗体を発見

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 6ヶ月後も続く症状で、一番多いのは「疲労」。続いて「動作後の気分の悪さ」「認知機能障害(ブレイン・フォグ)」「感覚の問題」「頭痛」「記憶問題」と続く。このうち「認知機能障害と記憶問題は、すべての年齢層に共通していた」という。

 ただし、フュチューラ・サンテ誌(7/16)も指摘するように、この報告を鵜呑みにするのは危険だ。なぜなら、アンケートをベースにしているので、数値に偏りがある可能性、また、新型コロナと関連しない症状が含まれている可能性が捨てられないからだ。言い換えれば、だからこそロング・コビッド究明の研究が必要とされているという証でもある。

◆血液検査によるロング・コビッド診断?
 そのようななか、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らの発見は大きな一歩と言える。それによれば、ロング・コビッドに悩む患者の血液中には、新型コロナから早く回復した人や、感染したことのない人の血液中には存在しない特異な自己抗体が存在する(BBC、7/12)。自己抗体とは、自分の体の成分に対してできる抗体のことで、通常、健康な人にはないが、自己免疫疾患などにより出現する。

 研究チームを率いるアルトマン教授は、この自己抗体がロング・コビッドを引き起こしている可能性があると考えており、これをもとに、血液検査でロング・コビッドを検知できるテスト開発を目指す意向だ。完成には、6~18ヶ月かかると目されている。(BBC)

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Text by 冠ゆき