ミツバチでコロナ検査 訓練によって探知に成功 オランダ研究

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◆トレーニング機器と識別センサーの開発に打ち込む
 ワシントンポストによると、ミツバチを訓練するアイデアはInsectSenseが思いついたのだという。InsectSenseは以前、鉱石や地雷を探し出すためにミツバチを使っていた。ミツバチが新型コロナウイルスも発見できるとわかり、研究者たちと共同することになった。

 ミツバチは世界に広く生息しており、探知蜂を利用できる国々は多いと見込まれる。本研究でも、近隣の養蜂場からミツバチを集めたという。費用が安く済むことも、探知蜂を使う利点だ。本研究の最終目的は、インフラが整わず、最新のハイテク技術を使えない低所得国が探知蜂を活用することだ。

 InsectSenseは現在、複数のミツバチを自動的に訓練できる機器の開発を目指している。訓練は数分のみだ。そして、探知蜂を使った識別センサー「BEESENSE」の開発も進めている。このセンサーはポータブル型で使い勝手がよく、1台で1時間に検体100件以上を識別できるようになる。

 しかし、探知蜂の効果が本物かどうか、またハチを使うべきかどうかは議論が続くかもしれない。

 ハチを含む昆虫の研究に従事しているベルギーのゲント大学ディルク・デ・グラーフ教授は、PCR検査を入手できない国々で探知蜂を使うというアイデアは受け入れるとしつつ、「自分ならハチは新型コロナウイルスの識別のためには使わず、ほかのことに使うだろう」と述べている(ロイター)。

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Text by 岩澤 里美