恋に落ちた神父たち 還俗とその葛藤

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◆両立しない2つの愛
 生涯独身の誓いにもかかわらず恋に落ちたのは、チェッコベッリ神父が最初ではない。学術ニュースサイト『カンバセーション』は、30人の結婚した元神父のインタビュー記事を公開しているし、ル・モンド紙は、秘密裏のまま二重生活を送る神父と「愛人」の例を報道している。

 一般に、神父は所属する教区の神父館で生活し、教区の教会などで働いている。つまり、神父を辞めて還俗するということは、仕事と住居、また社会的信頼を同時になくすことを意味する。また、そこに加わるのが、葛藤という精神的苦痛だ。一度は神父を志した彼らは、当然ながら、人一倍深い信仰心と使命感を持っている。神への愛と未来の伴侶への愛が「両立しない」がために、神父職を退くことを決めても、自分自身への失望や、教会との精神的決別に悩む人は少なくない。(カンバセーション)

 それにしても、結婚式で新郎新婦に夫婦の愛を説くのが神父というのも皮肉なものだ。

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Text by 冠ゆき