戒律か、禁じられた愛か…『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』2月7日公開

 映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』は、胸を締めつけるような禁断の恋を描いた作品だ。厳格なユダヤ教コミュニティのなかで、二人の女性が抑えきれない衝動を抱え葛藤する。映画批評サイト『ロッテン・トマト』で85%の批評家が肯定的評価、米CBSが運営するレビューサイト『メタ・クリティック』でも肯定的評価33票に対して否定的評価は0票と好評だ。2017年にトロント国際映画祭で披露された本作は、いよいよ2月7日から日本で上映解禁となる。

♦︎故郷が呼び覚ます、忘れられない想い
 ニューヨークで写真家として活動する女性・ロニート(レイチェル・ワイズ)のもとに、父の訃報が届く。葬儀に参列するため故郷のロンドン近郊に戻った彼女は、父がユダヤ教の司祭だった縁で、その弟子の家庭に滞在することに。ところが、弟子の妻であるエスティ(レイチェル・マクアダムス)の顔を見たロニートは激しく狼狽する。厳格なユダヤ教のコミュニティで育ったロニートとエスティは、その昔、女性同士で惹かれあった間柄だったのだ。

 もともと父と疎遠だったロニートだが、父が決めた遺産の処遇をめぐりショックが重なる。さらにコミュニティでも居場所を見いだせず、はるばる訪れたイギリスで疎外感は深まる一方だ。心が弱ったそんな折に、エスティから優しい口づけが。はじめは拒んだロニートだが、彼女を愛おしと思う感情が再燃してしまい……。厳しいユダヤコミュニティのなかで、ロニートとエスティは湧き上がる愛情と厳しい戒律の狭間に揺れる。

Text by 青葉やまと