「血栓と関連」のアストラ製ワクチン 仏当局「2回目は別社製でも問題なし」 各国対応

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 フランス高等保健機構は8日、抗Covid-19ワクチンについて、1回目と2回目のワクチンが異なっていても問題はないという見解を示した。これは、欧州医薬品庁が7日、アストラゼネカ社ワクチンに非常に稀な副反応として血栓症が認められると発表したことと関連するものだ。

◆統一感も根拠もない年齢制限
 副反応に血栓症を認める欧州医薬品庁の見解発表を受け、これまで若い世代へのアストラゼネカ社ワクチン接種を控えていた国(スペイン、イタリア、フランス、オランダ、イギリスなど)に加え、オーストラリアやベルギーも同様の決定を下した。ただ、何歳未満には接種しないという基準は、イギリスの30歳に始まり、オーストラリアの50歳、フランスの55歳、ベルギーの56歳、オランダの60歳と、各国でばらばらだ(ル・モンド紙、4/8)。あまりの統一感のなさに、欧州委員会が7日、「市民の混乱を避けるためにも」EU内で統一を図ろうと呼びかけたほどだ(20 minutes、4/8)。

 ちなみに、欧州医薬品庁は7日、血栓症という副反応に「年齢、性別、病歴など、特定の危険因子は確認されていない」(20 minutes、4/7)と発表している。それに従えば、年齢制限に意味はないはずだ。

Text by 冠ゆき