「ゴールデン・ビザ」取得の富裕中国人が増加、欧州 高額納税で居住ビザ

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 先日、スイスの一般紙ターゲス・アンツァイガーは、非EU圏の人が巨額の納税によりスイスに住むことは合法であり、出身国別にみた場合、これまでのロシア人富裕層に代わり、中国人富裕層がトップに躍り出ていると報じた。このニュースは、国内の主要ニュースサイトが追随した。

 非EU圏の人が就労や結婚などの理由がなくても巨額の金銭と引き換えに居住ビザを得られることは、ヨーロッパの複数の国で行われているが、EUは手続きに不透明な面があるとし、是正しようと動き出した。

 大金と引き換えに得られるこの居住ビザは、一般的には「ゴールデン・ビザ」と呼ばれている。

◆スイス:国外超リッチ層から年35億円の税収を得る州も
 非EU圏出身でスイスに住んでいる場合、住むための土地、一軒家、アパートの購入は通常問題なくでき、スイスに住んでいない場合でも、一定の条件を満たせば不動産を買うことはできる。その条件はスイスの各州によって異なるため、各州当局に問い合わせることになっている。

 国外に住む外国人がスイスで不動産を所有したからといって、スイスの居住ビザが与えられることはない。これは、司法警察省の一般的なガイドラインでも強調されている。しかし、相当に裕福な場合は、その人の納税によって州に財政的利益がもたらされるため居住ビザを与えてよい(つまり、非EU圏の富裕層がスイスの居住ビザ(ゴールデン・ビザ)を買える)ことになっている。

 この件に関する報道は、以前からあった。2年前には、スイス放送協会が、2008~2017年までの10年間で居住ビザが下りたそれらの富裕層は578人だと伝えた。国籍をみるとロシア人が186人と際立っており、トルコ人37人、カナダ人24人、アメリカ人23人と続いている。マッターホルン山麓を含む南部のヴァレー州では、ある議員いわく「州内のこういった人たちは毎年35億円の均等税を納めています。この収入は大歓迎です」とのことだ(同放送協会)。

 ヴァレー州では、これらの特権層はそれほど多くない。受け入れ人数が多い州は、当然、税収入も多いはずだ。欧州内の短期ビザの情報サイト『シェンゲンビザ・インフォ』によると、スイスの居住ビザを買いたい場合、年間納税額は安い州で約1700万、高い州だと1億1600万円だという。

Text by 岩澤 里美