「動物虐待」生きた馬の日本への空輸、輸出国で反対の声 馬肉文化にも厳しい目

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 食肉用として日本に輸出される馬の輸送環境が劣悪だと、海外から批判が出ている。狭いクレートに餌も水もなく十数時間馬を閉じ込めるのは非人道的で、輸出を止めるべきだと指摘されている。馬肉は世界で広く食べられているが、馬を愛護動物とする人々のなかからは、馬肉を食べること自体を禁止するよう求める声もある。

◆馬肉ビジネス好調 馬の輸入増加
 英ガーディアン紙によれば、日本の馬肉の25~40%は、輸入した馬からのものだ。飼育コストが高いことが理由の一つと見られており、2019年では、純血種の繁殖用馬を除くと、カナダからの輸入が71%、フランスからが21%となっている。

 カナダ政府の統計によれば、食肉用の生きた馬の日本への輸出は96頭を送った2000年から増加。23万1000カナダドル(約2000万円)だった売上高は、2013年から2020年の間は毎年1000万カナダドル(約8億8000万円)を超え、ピークの2014年には7111頭が輸出された。フランスからの輸出も2017年には80頭だったが、2019年までに959頭に増加している。

Text by 山川 真智子