「なぜあなたが先に」米ワクチン、一部の政治家の接種に批判

新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるジョー・バイデン氏(12月21日)|Carolyn Kaster / AP Photo

 両議員は、いままでの言動から180度転換したその態度に、ツイッターユーザーから「なぜあなたが医療関係者より先に接種を受けているのか」「フロリダ州には65歳以上の人が2148万人いる。フロリダ保健省によると、これまで3万2000人がワクチン接種を受けた。そのなかの1人が49歳の健康で腐敗したキャリア政治家のマルコ・ルビオだ」など批判を受けた。バイデン氏はもちろんペンス氏、ペロシ氏など政権や党上層部はシニア層が多いこともありワクチン接種についてとくに批判を受けていないが、これまで新型コロナ対策に批判的だった共和党員はもちろん、コロナ対策を盛んに訴えてきた民主党員でも、まだ20代のアレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員などがワクチン接種を優先的に受けたことについて賛否両論が出ている。一方、国会議員のなかでも、共和党のランド・ポール上院議員や民主党のイルハン・オマル下院議員などは、医療関係者など優先されるべき人々が接種を受けるまで待つと発言している。

◆ハリス次期副大統領「誰もが接種受けるべき」
 そのようななか、カマラ・ハリス次期副大統領はMSNBCの番組『ザ・リードアウト(The ReidOut)』に出演し、国民がワクチン接種を受けることを推奨。これまで新型コロナ対策に批判的だった共和党員が先陣を切って接種を受けることにも「(党派にかかわらず)誰もが接種を受けるべきだ」と賛同した。ハリス氏は、アメリカ国内に新型コロナウイルスワクチンに対し不安や疑念を感じている人々が多く存在することから、リーダーシップの立場にいる人々が率先して接種を受けることにより、人々の抵抗感を和らげる結果につながると述べた。ハリス氏自身もクリスマスの後に接種を受ける予定であることを表明している。

 クリスマスや年末年始とイベントが続くことから、アメリカでは今後また感染者が大幅に増加することが予想されているが、1月20日にバイデン新大統領が就任後、新政権がワクチン分配体制を迅速に整えることで、今後の接種をよりスムーズに進めていくことも可能だろう。

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Text by 川島 実佳