「もっと学校の感染対策を」抗議の口火を切ったフランスの高校生ら

Bob Edme / AP Photo

 パンデミック第二波の勢いに飲まれぬため、10月30日から外出制限令を再施行しているフランス。春とは異なり、学校では衛生対策を強化するのみで、休校にはしないことを決めた。しかし、それでは不十分だとする抗議の声が続出。その口火を切ったのは、当の高校生らであった。そこには、抗議と要求が改善への近道であると信じるフランス人像が見えるようだ。

◆休暇明けの11月2日から不安の声
 マクロン仏大統領が二度目の外出制限令施行を発表した10月28日はフランスの学校は万聖節の休暇中にあった。休暇が明けたのは11月2日月曜日だが、初日から安全性を問題視する声がそこここで聞こえた。フィガロ紙(11/3)によれば、「パリ、ナント、ブザンソンでは、生徒らがより厳しい(感染)対策を要求して学校施設をブロックした。(中略)パリでは約10校が対象となり、警察の介入を必要とした」。学生らは、ごみ箱を入り口前に積み上げたり、自転車錠を門にかけるなどして、入り口を塞ごうと試みたのだ。

 SNS上でも生徒たちの不安な声が聞かれた。「#BalanceTonProtocole(衛生対策を告発せよ)」というハッシュタグで投稿された写真は、どれだけ校内が「密」であるかを告発するものばかりだ。高校生の組合、高校連盟(UNL)代表のマチュー・デヴラミンクも複数のメディアのインタビューに、自分たち生徒の抱く「自分自身が感染する恐れに加え、家族を感染させてしまう恐れ」を訴えている(BFMTV、11/2)。

Text by 冠ゆき