欧州一被害の少ないフィンランド、その要因は? コロナ第二波

Markku Ulander / Lehtikuva via AP

◆3月半ばの非常事態宣言
 フィンランドのパンデミック対策の成功の要因としてウエスト・フランス紙が挙げるのは、まず3月という早い時期に「半ロックダウンを導入」し、「首都への出入りを禁止した」ことだ。振り返れば、フィンランドは3月16日に非常事態を宣言し、学校の休校、10人を超える集会の禁止、70歳以上の国民の外出制限、国境の閉鎖などを決めている。この時点での同国の感染者数は272人。人口10万人あたりで言えば4.9人だった。同じころ3月17日に移動制限を施行したフランスは、当時7730人の感染者を数えていた。これは、人口10万人あたりでいえば11.52人だ。これと比べてもフィンランドの措置が素早かったことがよくわかる。

 続いて、首都ヘルシンキのある南部の封鎖に踏み切ったのは、それから約10日後のことであった。5月半ばには学校が再開し、6月1日に始まる夏休みまで約2週間子供たちが登校を再開したが、5月14日の段階で、フィンランドの感染者総数は6054人、死者は284人だった。これは人口10万人中109人強の感染者にあたる。同じ5月14日フランスの感染者数は14万1356人で、10万人中だと210人強の感染者数であったから、この時点でフィンランドの感染者率は、フランスのほぼ半数であった。

◆効果的な接触者追跡と発達したデジタル社会
「制限が解かれたあとには、テストとアプリを用いた接触者追跡が効率的に行われた」ことも、ウエスト・フランス紙は成功要因として挙げる。現在フィンランドで広く用いられている接触確認アプリ「Koronavilkku」は、6月から試運転された最初のバージョンのあと、8月31日にリリースされたものだ。ル・モンド紙(10/16)によれば、リリースにあたり当局は100万件のダウンロードという高い目標を掲げていたが、わずか24時間でこれを達成。その後もダウンロード数は増え続けており、ウエスト・フランス紙によれば、11月頭時点で250万回を数える。フィンランドの全人口は約550万人であるから、かなり高い割合と言えよう。

 フィンランドが高度にデジタル化された社会であることは、リモートワークを容易にした。ヘルシンキ大学のネリ・ハンコネン教授は、「フィンランドの労働力の大半が職場にいる必要がないように、経済は構成されている」と述べる(ウエスト・フランス紙)。これもまた、感染拡大を制限する要因のひとつと考えられる。

Text by 冠ゆき