アメリカの学校再開計画 ニューヨーク、カリフォルニア、ハワイ州の場合

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 新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンで、アメリカでは3月中旬以降学校が休校状態にある。多くの州では3月中旬に春休みに入って以降、感染拡大を防ぐため授業がオンラインに移行し、キャンパスでの授業が再開しないまま5月末に学年末を迎えて夏休みに入り、いまに至っている状態だ。公立校の多くは4学期制の場合8月初旬、2学期制の場合8月下旬~9月に新学年がスタートすることになるが、ウイルス感染拡大が収束していないいま、子供たちが安全に学校に戻れるのかどうかが懸念されている。現在の状況について、ニューヨーク、カリフォルニア、ハワイ各州を比較した。

◆ニューヨーク州の場合
 アメリカ国内で新型コロナウイルス感染者が確認された直後、爆発的に感染が拡大したニューヨーク州。しかし、同州政府による感染拡大防止策が功を奏し、同州保健局によると、ピークの4月14日に1万1571人を数えた新規感染者数は順調に減少し、7月13日は912人だった。同州と隣接するニュージャージー、コネティカットの3州では、感染者数が増加している他州からの移動制限や検疫を行うなどして感染再燃を回避する努力を行っている。

 そんなニューヨーク州では、まだ学校再開計画が固まっていない。ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は2日、同市では「学校は9月に再開する」と明言しているが、市長の意思だけでは決定できないようだ。ニューヨークポスト紙(電子版)によると、同州のアンドリュー・クオモ知事は6日、「各学校区から再開に関する計画を募っている」としながら、「(学校再開について)まだ最終的判断は下していない」と語っている。

Text by 川島 実佳