スウェーデン、緩いコロナ対策の代償 死者多数、経済効果わずか

アンデシュ・テグネル氏|Anders Wiklund / TT via AP

 今年の失業率上昇は必至だが、政府は失業した外国人が3ヶ月以内に職を見つけられない場合は労働許可を取り消すとしており、今後有能な外国人の流出が加速するという見方もある。

◆夏までに検証 責任はどこへ?
 テグネル氏は自身が指揮した戦略は失敗だったと認めてはいないが、感染を止めるためもっとできることをすべきだったと述べている。ロイターによれば、スウェーデンの保健相は、公衆衛生当局が勧めるなら、さらなる対策を導入する準備は常にしてきたと述べており、暗に政府の責任を回避しようとしているようにも取れる。

 FTによれば、政府は野党政治家からのプレッシャーに負け、コロナ対策のアプローチについての調査委員会を夏までに設置することを発表している。世界でも稀な独自路線のコロナ対策を取り、その行方が注目されてきたスウェーデンだが、戦略の行き詰まりで政府とテグネル氏はさらに厳しい立場に置かれそうだ。

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Text by 山川 真智子