スウェーデン式「集団免疫」戦略はうまくいくのか? コロナウイルス対策

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 新型コロナウイルス感染の広がりで、欧州各国がロックダウンを余儀なくされているが、スウェーデンは独自の緩いソーシャルディスタンシングで乗り越えようとしている。ほかの北欧諸国に比べ死者数が多く、無謀な実験とまで批判されてきたが、ここへ来て数字は横ばいとなっており、効果が現れつつある。

◆店も学校もOK、国民に任せるコロナ対策
 ソーシャルディスタンシング・ライト、とも呼ばれるロックダウンをしない新型コロナ対策を取るスウェーデンでは、50人以上の集まりは禁止で、劇場は閉鎖、スポーツイベントも行われていない。しかし、16歳までの子供は学校に通学しており、商店やレストランも営業している。バーでの立ち飲みは禁止だが、公園のベンチに座っていることで、警官から注意を受けることもない(スペクテイター誌)。

 ロックダウンで罰則に縛られなくても、スウェーデン人は責任感で政府のガイドラインを守っているとブルームバーグは述べる。イースターの週末でも首都ストックホルムから人気の旅先ゴットランド島への移動は96%減少。ストックホルムの人の移動も75%低下した。もとより一人世帯が全体の半数以上で人との距離を取りやすいこと、高速インターネットが普及しているためオフィスを離れても仕事の生産性を高く保てることなど、コロナ危機に対応しやすい条件が揃っていると見られている。

Text by 山川 真智子