日本のコロナの謎、ついに崩れる? 海外の見る日本の対策、今後のゆくえ

Eugene Hoshiko / AP Photo

◆個人のモラルに頼る緊急事態宣言 効果に疑問
 感染の拡大を受けて出された緊急事態宣言だが、その制度上の問題点をメディアは指摘する。ロイターは、規制違反に対して罰金や逮捕といった罰則がある海外のロックダウンとは違い、日本のものは集団からのプレッシャーや権威へのリスペクトといった古くからの日本の伝統に頼るものだと述べる。第2次世界大戦中に権力の乱用があったことへの反省から、日本国憲法のもと、人権侵害となる強力なロックダウンはできないと解説している。

 緊急事態宣言下では知事の権限が強化され、市民に自宅待機、企業や店舗に閉鎖を求めることができるが、あくまでも自粛要請となるため、「歯抜け」と批判されているとブルームバーグは述べる。法的拘束力がなくても、夜の街やショッピング街への人出は減り、GPSを使った調査では電車の利用も減っているとするが、安倍首相が求める7割から8割の人との接触削減はまだまだ難しいと見ている。

▶︎次のページ 少ない死者数の謎、ついに崩れる?




Text by 山川 真智子