女性リーダーのほうがコロナ対策に成功、なぜなのか?

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◆女性のほうが能力高い? 男性は両極端
 ではなぜコロナ危機に際し女性リーダーが成果をあげているのか。バイライン・タイムズは、女性指導者は男性に比べあまり政略的にならず、決断力があり、専門家を信頼し、危機において冷静という見方があると指摘する。またハーバード・ビジネス・レビューが出版した2019年の研究では、優秀なリーダーに必要な19の能力において、17項目で女性のスコアのほうが高かったと述べている。さらに、女性は自分の能力を過小評価するが男性は過大評価するとし、トランプ米大統領やジョンソン英首相が自分の考えを押し出して対応に失敗したことを例としてあげている。

 米スペクテイター誌は、女性のほうが男性より能力が高いとする研究には相関関係と因果関係のトリックがあるとして懐疑的だ。一方で、女性は妊娠中を除いても男性よりも医者にかかる割合が高く、健康診断を受ける割合も高いとし、自分の健康を真剣に考える傾向があるとする。これがコロナウイルスのような危機においては、女性リーダーのほうが適している理由かもしれないとしている。

 さらに、男性のほうが女性より知能など能力のばらつきが大きいという変動性仮説についても同誌は言及する。この仮説を受け入れるならおそらく男性のほうが天才にも奇人にもなる可能性が高いということだ。さらに、男性は現実逃避的で、力で物事をねじ伏せる傾向が強く、女性のほうが安定していると考えることもできるという。

◆実は個人の能力の問題 女性に厳しい社会
 もっともスペクテイター誌は、フランスのマクロン大統領よりメルケル首相がうまくコロナウイルスに対応できたことは、単に女性だったからでは説明できないと述べる。科学的に証明されているわけではないが、女性にとって成功の階段を上り詰めるにはたぐいまれな能力が必要で、男性の何倍も努力してきた女性リーダーたちが格段に優秀だったことが理由ではないかと同誌は見る。

 ガーディアン紙も、女性がリーダーになるには男性より高いスタンダードが求められるとし、女性は男性の半分の評価を得るために2倍の努力をしなければならないと述べる。イヴァンカ・トランプ氏のような親の後ろ盾を利用する例外もあるが、最上級職に就くためには、女性はできすぎぐらいでなくてはならないとしている。

 世界において、首相などの女性リーダーは全体の7%以下、政治家は24%、フォーチュン500のCEOは5%以下だとバイライン・タイムズは指摘。より多くの優秀な女性の力を利用することが、コロナウイルス対策に限らず、貧困や格差、気候変動、飢餓や戦争などの世界的な問題の解決につながると見ている。

Text by 山川 真智子

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