日本は慢心している? 花見に浮かれる人々、憂慮する海外メディア

Koji Sasahara / AP Photo

♦︎持ちこたえで慢心か
 欧米の大都市では街から人影が消えているが、日本ではこのように外出者が目立つ。理由の一つに、これまで感染が急速に拡大してこなかったことによる油断が挙げられる。タイムズ紙は、日本政府の対応は必ずしも的確ではなかったものの、感染者の爆発的増加はこれまで回避できていたと紹介している。「パンデミックに対する日本の対応はあてにならず、一貫性がなく、そして困惑させるようなものであったが、さらに印象的なことには、効果が出ているようなのである」と同紙は述べ、日々の感染増加数が欧州と北米よりも大幅に低いと指摘している。 数ヶ月前、ダイヤモンド・プリンセス号による混乱が大きく報じられ、日本が危険視されていた時期にはおよそ予測できなかった状況だ。

 感染増加率の抑制にこれまで成功してきた決定的要因はわかっていないが、香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙は文化的習慣の違いを指摘している。欧米のようなハグや握手ではなく、日本ではお辞儀や会釈のように相手の体に直接触れないあいさつが一般的だ。このような違いが感染を抑えてきたという北海道文教大学の准教授による見解を同紙は伝えたうえで、同時にこのような認識が日本は比較的安全だという油断を生んだのではないかとも述べている。

♦︎政府の指示も弱く
 政府のリーダーシップについても、諸外国と比べると弱かったと言わざるを得ない。サイスチャイナ・モーニングポスト紙は、日本政府が強制力のある指示を打ち出さず自宅退避を推奨するに留まったことから、花見客が増加したのも何ら不思議はない、とする専門家の意見を紹介している。欧州のような強力な外出禁止令はこれまで日本では発出されておらず、あくまで推奨や行動規範といったレベルに留まる。

 政府がこれまで強力な措置を取ってこなかったのは、感染者の増加カーブが比較的緩やかだったこともあるだろう。ワシントン・ポスト紙はこれまでの日本国内の感染者数の推移を総括し、「ここから言えるのは、運によるものか見識によるものかはともかく、日本は惨事を免れた」と評価している。ただし日本国内の専門家の間にも、今後の動向を警戒する声は強かった。

 実際、3月下旬に入ると状況は急変している。東京都の小池都知事は、今後3週間が感染爆発の重大局面であると述べ、都民に週末の外出自粛を求めた。都民が社会的距離の保持に十分に応じない場合、外出を禁じる「ロックダウン」の実施も辞さない構えだ。春の開放感による慢心が広まるなか、日本のコロナウイルス対策は正念場を迎えている。

Text by 青葉やまと

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