駐車違反に13万円の罰金 冷や汗もののスイスの駐車事情

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◆自分のマンションの駐車場なのに止められない
 無料駐車場といえば、マンションやアパートに設けられた訪問者用の無料駐車場も同様の扱いのことが多い(スイスは、持ち家派は少なめで、6割が賃貸物件に住む)。訪問者用とは、そこの住人を訪ねる親戚や友人、郵便や荷物の配達員が利用するためのスペースだ。したがって、その近くで用事があるから止めるということはできない。

 マンションやアパートには、通常、住人のために地下に広い駐車場があり、住人たちは駐車場代を払って自分のスペースを確保している。

 ただし、住人も、車で一旦帰宅してすぐに出かけるといったときなど、訪問者用の無料駐車場に止めることがある。これも違反になることがある。住人は常に自分のスペースに止めるべきなのだ。

 友人のマンションでの出来事だが、ある週末、複数の住人が訪問者用の無料駐車場に止めてしまったことがあった。週末は訪問者が多くなりがちだ。無料駐車場は埋まってしまい、お客さんが来ることになっていた住人は、後日、「ここに住んでいるのに車を自分のスペースに止めない人がいるから、私を訪ねてきた人が止められなかった」と家主に苦情を言った。以来、住人が訪問者用の無料駐車場を使った場合は罰金を支払うことになったそうだ。家主は常時監視していないが、住人たちの目がある。

◆車から住所を探し当てる
 住人たちの目というと、とても驚かされたことがある。以前住んでいたマンションの近くでの出来事だ。200メートルほどの通りの両脇に一軒家が並び、その一軒に息子のクラスメートが住んでいた。その家を訪ねるときは、いつも徒歩だった。

 その通りと並行して広い道路が走っている。車で出かけるときは常に広い道路へ回っていたのだが、一度だけ、その200メートルの通りの方へ行ってみたくなり、車で通り抜けた。

 数日したら、自宅の郵便受けに手紙が入っていた。「あなたは、〇月〇日の何時ごろ、〇〇通りを車で通りましたね。この道は私道で、車で通れるのはここの住人のみです。今度ここを車で通ったら、警察に通報します」と書かれていた。

 まずびっくりしたのは、その通りが私道だったことだ。私道には普通は表示があるのに、表示を見たことがなかったし、息子のクラスメートの母親とも、私道だということを話題にしたことはなかった。だが、探したら、高い木々に隠れるようにして「私道」の表示が立っていた。その地区に1年半住んでいたのに、筆者も夫もまったく気がつかなかったのだ。

 もう一つ、なぜ、筆者の住所がわかったのかにもびっくりした。不思議だった。友人に話したら、からくりがわかった。スイスで車を所持すると、ある公的なサイトで、ナンバーや持ち主の情報が見られるのだという。非公開にしてもらう方法はあるそうだが、調べていない。とにかく、筆者が通り抜けたそのときに、私道沿いの住人が筆者の車のナンバーを即座に記憶し、そのサイトで調べたのだろう。

Text by 岩澤 里美

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