新型コロナウイルスとイスラム過激派テロ グローバル化社会の負の側面について考える

Mark Schiefelbein / AP Photo

 グローバル化社会、これを読者はどう考えるだろうか。インターネットやSNSの発達、格安航空会社(LCC)の増加など、ヒト、情報、カネ、モノの国際的移動は劇的に加速化、簡素化している。それによって、我々日本人は、安い値段で海外を旅行でき、スマートフォンで簡単に海外の人と交流でき、情報を入手することができる。とくにいまの若い世代は、通信技術のグローバル化なしに日常生活も送れないだろう。筆者も若い世代の一人だが、新型コロナウイルスを機にいま一度、グローバル化社会が与える影響について考えている。そうするとグローバル化の負の側面が脳裏に強く浮かび上がってくる。

◆グローバル化の負の側面としてのCOVID-19
 新型コロナウイルス「COVID-19」が世界中で猛威を振るっている。ここで筆者が強調したいのは、感染者の総数ではなく、感染国の総数である。

 日本経済新聞がまとめた統計によると(9日現在)、世界全体での感染者数は10万人を超え、犠牲者数は3606人に上っている。感染国も、中国(感染者8万735人)、イタリア(7375人)、韓国(7313人)、イラン(6566人)、フランス(1126人)、ドイツ(902人)、米国(433人)、オーストラリア(74人)、インド(34人)のほか、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、ドミニカ、アルジェリア、セネガル、南アフリカ、アイスランドなどにも広がり、「感染国は100の国・地域に達した」とWHOは警告する。

Text by 和田大樹