英ヘンリー王子夫妻を追い込んだのは? 主要王族から「引退」を発表

Frank Augstein / AP Photo

 英王室のヘンリー王子と妻のメーガン妃は、王族の主要メンバーとしての役割から距離を置きたい意向であることを発表した。夫妻はこの決定に際し、事前にほかの王室メンバーと相談していなかったとされ、バッキンガム宮殿は夫妻の決定に「失望している」と声明を出し、事情は複雑だとしている。

◆王室よりプライベート メディアを避ける夫妻
 夫妻は今回の決断は何ヶ月も考えて話し合いを重ねた結果だとし、今年を王室内での革新的な新しい役割を切り開く移行の年にしたいとしている。王室の主要メンバーとしては一歩退き、今後も女王をサポートすることは続けつつも、経済的に独立することを目指すということだ。

 ヘンリー王子は、チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の次男で、2018年に米女優のメーガン・マークルさんと結婚し、第1子のアーチーちゃんが昨年誕生した。夫妻は王族であることよりも、プライバシーを優先する態度を取っており、アーチーちゃん誕生のときも、出産に関する情報や写真もほとんど公開せず、異例と報じられた。

 夫妻はまた、メディアに執拗に追いかけられ、プライバシーを守れなくなっていると以前から主張しており、これが今回の決定につながったという見方が多い。メーガン妃は英タブロイド紙を提訴、ヘンリー王子もタブロイド紙のオーナーを訴えている。CNNによれば、夫妻は王族でもプライベートな生活をする権利があることを根拠とし、これらの訴訟に勝てると見ているようだ。

 夫妻はイギリスと北米を行き来する生活をする予定であることも公表している。子育てにも理想的で、新しいチャリティ団体の設立など、今後の新しい活動をするにも都合がよいとしている。

Text by 山川 真智子