出生数90万人割れ 海外が指摘する日本特有の事情

316pixel / Shutterstock.com

◆日本特有の事情も 海外が指摘する壁
 米公共ラジオ網NPRは、子供が生まれない理由として、日本の女性が家事と子育ての両方の重い負担を背負っていること、文化的に仕事をしながら子育てをするのが難しいことを上げる。若い女性たちは、結婚し子供を持つよりも働き続けることを選ぶことが増えたとしている。

 未婚の母が少ないことも理由だとする。婚外子はアメリカでは約40%だが、日本では2.3%ほどだ。婚姻率も日本では1970年代始め以来半分になっており、相前後して出生率も低下してきたとしている。

 移民受け入れに乗り出したことも遅すぎたとNPRは見ている。人手不足から外国人労働者を受け入れることにしたが、「特定技能」で就労するのに、技能レベルを測るテストに合格し、基本的な日本語理解力があることを示さなければならない。さらに、難民向けのパンフレットには、「日本社会は伝統的に、独立心や自己表現よりも規則に従うこと、社会的ハーモニーを好む」と書かれ、「時間に遅れないこと、ゴミの仕分けをすること、大声を上げないこと」がアドバイスされていると述べ、移民にとって魅力的とは言えない環境であることを示唆している。

◆少子化対策は効果薄 お金の投入先を間違うな
 SCMPは、ほとんどの夫婦にとって子供を持つことの最大のハードルはお金だと述べる。いくら政府が少子化対策をしても、多くの人にとって子育てに関わる費用は高すぎるため、経済的補助があれば子供を作る人も増えるだろうという、母親の言葉を紹介している。

 しかしアジア・タイムズは、日本同様少子高齢化で苦しむ韓国が、年間数十億ドルを投じて少子化対策をしても、まったく子供が増えていないことを指摘する。同紙は、いま優先すべきは、成長と新しい富を生む雇用の創出だと断じる。消費増税などで歳入を増やしても、負債は減るのではなく、むしろ社会保障費などの負担で増えるばかりだとし、増税や緊縮に頼らず、成長分野への投資という経済の追い風で景気を良くしたほうがいいという考えだ。人口減を前提として、受け身の姿勢ではなく攻めの姿勢で経済を立て直せば、あとから結果はついてくるということのようだ。

Text by 山川 真智子

Recommends