国際学力調査「中国1位」に待った 参加地域の偏り、不自然な得点アップ

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 OECD(経済協力開発機構)による学習到達度調査(PISA)の2018年の結果が発表された。2000年から3年ごとに行われている調査で、結果に各国は一喜一憂している。2018年は79の国と地域に住む、約60万人の15歳を対象に行われた。今回1位となったのは中国だが、その結果に異議を唱える声もある。

◆中国1位でも対象は一部、OECDは弁明
 調査は読解力、数学的応用力、科学的応用力の3つの分野で実施され、中国はそのすべてで1位となった。僅差で2位につけたのはシンガポールで、日本は読解力15位、数学的応用力6位、科学的応用力5位となった。

 中国でこの調査に参加したのは、北京市、上海市、江蘇省、浙江省の4行政区のみだ。CNNは、最も豊かな4地域だけが対象になっており、結果は中国全体、とくに農村部を反映していないと述べる。2012年のPISAでは、調査は上海市だけで行われたため、人口10億人以上の中国を代表するのは無理だと批判を浴びた。またOECDは否定しているが、出稼ぎ者の子供はテストから除外されていたという。2015年には、北京市、上海市、江蘇省、広東省が対象だったが、スコアは上海市だけのときよりも低下したという。

 OECDの事務総長は、中国の4行政区の所得のレベルはOECD平均以下にもかかわらず、今回の結果を出したことは素晴らしいとしている。今回の結果で中国全体を代表することはもちろんできないが、それぞれの規模は典型的なOECD加盟国に匹敵し、人口も合計で1.8億人を超えると説明。調査対象は妥当だという見解を示している。

Text by 山川 真智子

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