観光客に飲まれる古都プラハ 酔客の無法 押し出される地元民

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 プラハは1989年のビロード革命で共産主義政権を倒し民主化したチェコの首都だ。歴史的建造物が残された美しい古都で、民主化後は観光地として注目されることとなった。ところが近年は収容能力を超えるほどの観光客が押し寄せており、深刻な社会問題となっている。

◆欧州の注目スポット、プラハに押し寄せる観光客
 共産党政権崩壊後のプラハは、「ダイヤモンドの原石」だったとロイターは形容する。伝統的な尖塔や、ゴシック、バロック建築も数多く残されていたが、手入れする費用もなく、建物は崩れかけていた。しかし、民主化後はツーリズムに多額の投資が行われ、現在では中東欧一の豊かな地域になった。

 街の中心地には城や600年の歴史を持つカレル橋があり、歴史的な通りは観光客でいっぱいだ。昨年は800万人近くの観光客がプラハを訪れ、欧州でもっとも人気の観光都市の一つとなった。その陰で、130万人の地元住民が耐えがたい迷惑を被っているという。

Text by 山川 真智子