ウイグル問題:「大半が職業訓練所を出て就職」中国当局が説明

AP Photo / Andy Wong

 中国北西部・新疆ウイグル自治区の当局は7月30日、賛否両論を呼んでいる同地区の再教育センターの入所者は大半がすでに退去し、地元企業と「労働契約」を結んだと発表した。

 中国政府が職業訓練センターだと主張する新疆の捕虜収容所には厳重な警備が敷かれており、アメリカの人権団体やフリーのアナリストらによると、これまでに約100万人のイスラム教徒が恣意的に拘束されたと推定される。新疆は、ウイグル人、カザフ人のほか、イスラム教徒を中心とした少数民族が居住する地域だ。

 新疆ウイグル自治区のショハラト・ザキル主席は記者会見で、同氏が「生徒」だと主張する入所者の数については発表を控えた。また訓練所については、効果的かつ「先駆的」なテロ対策だとして支持を示した。

                                                                                                                 

「職業訓練センターの卒業生は、ほとんどが社会復帰を果たしている。卒業生の90%超は、満足のいく高収入の仕事を見つけた」とザキル氏は言う。

 新疆のアルケン・チュニアス副委員長は、訓練所で虐待があったという報告は、少数の国や報道機関によるでっち上げだと述べている。

 拘束されていた元入所者とその家族はAP通信の取材に対し、再教育センターは牢獄のような場所で、信仰を捨て、中国の与党共産党への忠誠を誓うよう強いられたと語る。また、何度も政治的な洗脳を受けており、なぜ施設に拘束されているのかわからない者も多数いたという。

 新疆から逃れたウイグル人、カザフ人の話によると、海外へ旅行に出かける、外国にいる親戚と会話する、顎ひげを長く伸ばすといった行為は、いずれも拘束の理由となる恐れがある。

 チュニアス氏によると、再教育センターは入所者に「休暇の申請」と「定期的な帰宅」を許可することで、その自由を保護している。「受講期間」中、センター入所者は各々の宗教の教えに従うことを禁じられているが、自宅にいる間は自身の信仰に基づいた生活を再開できる。先月30日の発表で当局は、訓練プログラムが志願制か否か、また入所者に帰宅許可が下りる頻度については明かさなかった。

 再教育センターに対しては国際社会から厳しい批判が向けられ、大々的な報道がなされたが、それを受け中国は、ジャーナリストや海外当局者を対象とし、周到な演出を盛り込んだ新疆訪問の企画に着手した。7月初旬には、北朝鮮、シリアのほか、イスラム教徒が大多数を占める数ヶ国を含む37ヶ国からの国連特使が、収容所を支持し、中国の人権の歩みを称賛する書簡に署名した。

 世界ウイグル会議の広報担当ディルシャット・ラシット氏はザキル主席について、中国政府がその「欺瞞」を拡散するための「政治用のマイク」だと指摘し、「シャハラト・ザキル氏の発言は、中国のウイグル人が受けている組織的な迫害の事実を完全に歪曲している」と言う。

 アメリカ国務省のネイサン・セールステロ対策調整官は7月、同国政府が出資するラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対し、新疆におけるイスラム教徒の拘束は「テロとは無関係」であるどころか、共産党による「宗教戦争」の一環だと述べている。

「敵視してきた人々の民族的、言語的、文化的、宗教的アイデンティティを完全になくそうという試みだ」

By YANAN WANG Associated Press
Translated by t.sato via Conyac

Text by AP