ブルーベリーで心臓機能、認知機能が向上

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 毎日ブルーベリーを食べれば心臓機能が改善する──こんな研究結果が明らかになった。

◆毎日1カップで心血管機能改善
 英イーストアングリア大学のエイディン・キャシディ博士は、ブルーベリーがメタボリックシンドロームの人にどのような効果があるのかを調べるため、半年間の臨床実験を行った。実験の結果は、米オレゴン州ポートランドでこのほど開催された「ベリー・ヘルス・ベネフィッツ・シンポジウム」(「ベリーの健康効果シンポジウム」、以下「ベリー・シンポジウム」)で発表された

 キャシディ博士のチームは、メタボリック・シンドロームの男女115人を対象に、半年間の臨床実験を行った。実験参加者を三つのグループに分け、一つ目のグループにはフリーズドライのブルーベリーを26グラム(生のブルーベリー1カップに相当)、もう一つのグループには13グラム(半カップに相当)、最後のグループにはプラセボ(外見と味はまったく同じだがブルーベリーは一切入っていないもの)をそれぞれ毎日摂取してもらった。ここでは、ブルーベリーを摂取したあとの参加者のインスリン抵抗性、心血管機能、脂質状態、アントシアニン代謝を検証した。

 その結果、どのグループもインスリン抵抗性には変化が見られなかったが、1カップを摂取したグループでは心血管機能の改善などが観察された。キャシディ博士によると、2ヶ月以下という短期間で行われた別の臨床実験では、ブルーベリーの摂取で動脈壁の硬化の改善や血流の改善が見られたという。こうした結果から、心臓機能改善のために毎日の食生活にブルーベリーを取り入れるべきだと結論づけている。

Text by 松丸 さとみ