「日本のように」英女王にも譲位のすすめ ブレグジットのいまが好機?

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◆リタイアは可能 でも女王は消極的
 実は女王は2015年から海外の公務をやめ、チャールズ皇太子が代わりを務めている。皇太子は公の場に登場する回数も増え、2018年には国内外合わせ507の公務を行っている(ラテン・タイムズ)。

 王室継承ルールによれば、女王は健康上の理由があれば、すべての公務や責務を停止することができる。この場合、後継者となるチャールズ皇太子が摂政となって女王が亡くなるまで公務を肩代わりし、その後王に即位することになる(ライフスタイル・サイト『Cheat Sheet』)。バクスター氏によれば、女王は95歳になれば摂政に任せるのではという噂もあり、その用意が進んでいると見るメディアもある。

 しかし、女王自身は絶対に退位しないと過去に発言している。女王は即位の際に、神に対し一生を捧げ職務を全うすると固く誓っており、これが重しになっているとバクスター氏は見ている。同氏は、日本の天皇が譲位した例をあげ、世界一古い皇室という菊の玉座でさえ無事に代替わりしたのだから、時代は変わったと理解し退位してもよいのではと述べている。

                                                                                                                 

◆新国王でリフレッシュ 離脱後の希望に
 エコノミスト誌は、女王がチャールズ皇太子を信用しきれていないのかもしれないという見方も示している。女王は政治に関しては常に中立の立場をとってきたが、チャールズ皇太子はこれまで物議を醸す発言もしてきた。ラテン・タイムズによれば、王位に就けば中立を維持すると約束しているらしいが、イギリス国内での人気はほかの王族と比べあまり高くないのは事実だ。王位を継ぐ人物次第では王室の存続も危なくなるとエコノミスト誌は指摘しており、女王もこの点が気がかりなのかもしれない。

 自分が引退した後の状況を案じて代替わりの好機を待っていても助けにならないと述べるバクスター氏は、EU離脱問題で揺れるいまこそチャンスだとする。国民は目的意識の更新が必要だと感じており、次の数年のブレグジットの嵐を抜けた後には、新国王即位が望ましいとしている。

 日本の場合も、新天皇即位による新しい時代の始まりに希望を感じるという意見も確かに多い。ブレグジットでバラバラになったイギリスをまとめるための譲位も一つの選択肢かもしれない。

Text by 山川 真智子

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