時代が“タフでかっこいい”おばあちゃんを求めてる? 脚光浴びる「バッドアス・グランマ」

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 この数年、SNSを中心に大手メディアでも使われるようになった「badass(バッドアス)」というスラングがある。もとはネガティブな意味だったが、おもに女性に対して「堂々としている/自信にあふれている/タフで腕がたつ」といった褒め言葉で使われるようになった。さらにこの2、3年は「badass grandma(小面憎いほど強いおばあちゃん)」が登場し、映画やドラマの人気キャラクターにもなっている。

◆ステレオタイプを破壊するおばあちゃんたち
「bad(悪い)」と「ass(お尻)」を組み合わせた「badass」は、「攻撃的な/嫌な」といった意味から転じて、人や物を「かっこいい」と褒めたいときに使うスラングである。2015年、オバマ大統領(当時)がFIFAワールドカップで優勝した女子サッカー代表チームに対し、「badass(強く、勇敢だ)」と称えてからは、女性を鼓舞する文脈でよく使われるようになった。

 badassな女性を取り上げるメディアが増えるなか、この2、3年、目立っているのが「badass grandma(強いおばあちゃん)」だ。ニューヨーク・ポスト紙は、高齢になってタトゥーを入れたbadass grandmaたちを取材し、「79歳でタトゥーを入れた女性なんている?」「人の意見は気にしない。やりたいことをやる」といった誇らしげな言葉を伝えている。タトゥーのデザインはハードなものもあれば、思い出の花、亡き夫のニックネームなどさまざま。偏見を持たれがちな「タトゥーを入れた女性」の人生観や強さの背景に寄り添った記事である。

Text by 伊藤 春奈