「隣家に大きな黒人が……」自宅にいただけで通報されたヴィング・レイムス 米国の根強い偏見

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 アメリカで、黒人がささいなことで白人によって警察を呼ばれる事件が多発している。これまで、スターバックスや公園、プールなど、街中でそのような事件が起こることが多かったが、自宅にいるのに警察に通報される事件も発生している。

◆有名俳優が自宅で泥棒に間違われ通報
 7月28日付のニューズウィーク(電子版)によると、『ミッション:インポッシブル』シリーズや、『パルプ・フィクション』など数々のハリウッド大作映画に出演経験のある有名黒人俳優ヴィング・レイムス氏は28日、ラジオ番組に出演し、「自宅のテレビでスポーツ番組を観ていたところ、犬が庭で吠えて走り回っているのが聞こえた。その後ドアをノックする音がして、開けると銃を構えた警察がいた」と話した。

 レイムス氏の自宅はカリフォルニア州サンタモニカにあるという。記事によると、警察はレイムス氏に両手を上げるよう指示。現場には警官5~6人と警察犬、サンタモニカ警察署の署長までいた。警察署の署長はすぐレイムス氏であると認識し、間違いを謝罪した。

 警察によると、レイムス氏の隣人が「隣家に黒人の大きな男が押し入ろうとしている」と通報したため現場に駆けつけたと言うが、レイムス氏と警察が当の隣人に苦情を述べに行くと、電話の通話記録が残っているにもかかわらず、隣人は通報したことを否定した。

 レイムス氏は「自宅にいたのが自分だったから良かったが、もし息子がゲームのリモートなどを持ったまま応対していたらどうなっていたのか」と警察に抗議したという。

Text by 川島 実佳