中国、「プーさん」とアルファベットの「N」を禁止 習近平批判を抑圧

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 元来インターネットにおいて検閲がかかってきた中国ではあるが、近頃はその厳しさの次元が変わった。言葉であれ、画像であれ、習氏を侮辱し得るものは禁止されているのが現在の習政権だ。ワードは禁止され、会話は検閲されている。

◆現代の焚書坑儒
共産党は、国家主席の任期制限である2期10年が撤廃され、習近平の指導哲学が憲法に書き込まれることを発表した。そして、ただちに検閲が開始された。「皇帝」「2期制限」「支配」といった多くの単語がSNSの「微博」やサーチエンジン「百度」でブロックされた。電子書籍を焚書することはできないものの、用語の禁止で事は足りる。「動物農場(Animal Farm)」「1984年」「すばらしい新世界(Brave New World)」といった権威主義的リーダーシップの下の暗黒郷を描く小説や作家の名前を言及することはもはや許されない。

 さらに、ただひとつの基本用語の禁止から、習国家主席の辞書を書き換えたいという望みがみてとれる。「同意しない」を検索すると表示されるのは、「申し訳ありませんが、このコンテンツは微博の利用規約の法規に違反しています」という文章だ。

Text by 鳴海汐