韓国、「ぼったくり」が社会問題に 外国人観光客がターゲットか

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◆“ぼったくり”大国の改善なるか
 韓国の空港に降り立つと通常のタクシーのほか、コールバンと呼ばれる貨物自動車が多く停まっていることに気づく。料金は運転手との交渉で決まるという韓国独特のタクシーだ。もちろんトラブルにも発展しやすい。韓国観光公社は、ぼったくり被害にあった際は観光苦情申告センターに問い合わせてほしいとしている。このような事態を重く見た韓国当局も、平昌(ピョンチャン)オリンピックの開催にあわせて取り締まりを強化。90人以上の特別取り締まり班を編成し、不当な料金請求と乗車拒否を取り締まった(聯合ニュース)。

 前述のぼったくり被害にあった中国人は観光苦情申告センターで提出した書類で、「韓国のイメージが大きく悪化した」と書いたという。ソウル市は国のイメージを落としている悪質なタクシー業者の根絶に向けてようやく重い腰を上げたようだ。

 韓国中央銀行によれば、今年1月の旅行収支は過去最大の赤字となった。その原因について中国人観光客の減少の余波が続いているためとした(朝鮮日報)。しかし、理由がそれだけではないのは明白だ。ぼったくりを撲滅しない限り、失った観光客は決して戻ってこない。

Text by 古久澤直樹