眞子さまご婚約内定、海外では「なぜ皇籍離脱?」と「おとぎ話の恋愛」

Shizuo Kambayashi / AP Photo

 秋篠宮家の長女眞子さまと大学時代の同級生、小室圭さんの婚約内定が今月3日に正式に発表された。これを踏まえ国内では再び皇位継承と女性皇族に関して議論されているが、海外紙もこのことについて報じている。

◆皇籍離脱は性差別?
 女性のエリザベス女王を君主とするイギリスでは、多くのメディアが女性皇族の皇籍離脱について疑問を呈している。ガーディアン紙は「おとぎ話のハッピーエンドではない:日本のプリンセス・マコが一般人の男性と結婚するために退位する理由」という見出しの記事を掲載している。同記事では、婚約内定について紹介した後、眞子さまが皇籍を離脱しなければならないことを「bloody unfair(全く不公平)」「impractical(非実用的)」などと批判している。「日本には結婚できる男性皇族がいない」ため、眞子さまには「それ(皇籍離脱)以外に選択肢がない 」と解説し、皇室典範について「性差別は常にある」と述べている。

 イギリスの他紙も、皇籍離脱を焦点とした記事がほとんどだ。テレグラフ紙は「日本のプリンセス・マコは大学時代の彼氏と結婚するために皇族を離れる」、インデペンデント紙は「日本のアキシノのプリンセス・マコは平民と結婚するために皇位を放棄」と報じている。いずれも皇位継承問題を取り上げ、皇位継承資格を女系皇族にも拡大する議論について伝えている。

 イギリスでは、王族の女性が一般人と結婚しても王室を離脱しない。実際、王位継承順位12位のアン王女は一般男性と結婚している。また、王位継承に関しては性別に関係なく長子相続制を導入している。元々は男子優先の長子相続制であったが、2011年に男女を等しく扱う改正が決定された。男子優先は「現代国家の考え方と相反する」(BBC)と当時の首相デービッド・キャメロン氏が述べていることからわかるように、イギリスでは「男女平等が当たり前」という考えが浸透しており、王位継承の伝統においても男女平等は当然だ。このような背景があるため、眞子さまの皇籍離脱が大々的に注目されたのだろう。

 また、アメリカでも同じように「性差別」をキーワードとした報道が多い。スレイト誌は、安倍晋三首相が皇位継承問題について戦後に皇籍離脱した旧宮家の皇籍復帰も検討するべきと発言したことを伝え、「女性を平等に扱うより、何代も平民であった家族を皇籍復帰させる方が望ましいという伝統は、性差別だ」と主張している。トランプ大統領の大統領選出馬以来、性差別についての議論が活発になっていることも、各メディアが女性皇族の問題に注目する一つの理由かもしれない。

◆おとぎ話の恋愛
 多くのメディアが皇籍離脱を批判的に報道している一方、「愛のために地位を捨てることはロマンチックである」という見解を示すメディアも少なくない。特に興味深いのは、インドでの報道だ。インディア・トゥデイ誌は、眞子さまと小室圭さんの婚約を「ideal fairy tale romance(理想のおとぎ話のような恋愛)」とし、「我々の多くは名声と富を求めるが、プリンセス・マコは物的所有物より愛を大切にしたことで良い手本を示した」と述べている。

 同じくインドのフィナンシャル・エクスプレス紙は「本当の愛は存在する!日本のプリンセス・マコが一般人の彼氏と結婚するために皇位を犠牲に」、デッカン・クロニクル紙は「おとぎ話のような恋愛:日本のプリンセスが一般人と結婚するために皇位を手放す」という見出しの記事を掲載している。どの記事も、眞子さまと小室圭さんの熱い恋愛を中心に報じている。

Text by Masaru Urano