寝室はできるだけ暗く 明るい場所で眠ると健康リスク増 米研究

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 夜眠りにつくとき、部屋の電気をつけたまま眠りに落ちてしまうことは少なくない。ところが最新の研究により、この「うっかり」が健康面のリスクを招いていることが判明した。明るい環境で眠ると心臓と血管に負担がかかるほか、血糖値が上昇する危険が高まるのだという。

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◆心臓・血管に負担
 研究は米ノースウエスタン大学・フェインバーグ医学院の研究者たちが行い、結果が米国科学アカデミー紀要に掲載された。研究では「中程度の明るさ」とされる100ルクスの照度の環境、あるいは「薄暗い」とされる3ルクスの環境で被験者たちに寝てもらい、その影響を比較した。参考までに、通常のオフィスの照度が150〜700ルクス程度とされている。100ルクスはオフィスの休憩室など、作業場所よりはやや暗めのスペースに相当する明るさだ。

 結果、この「中程度の明るさ」で一晩眠った被験者たちは、睡眠中も交感神経が活発に機能しており、高い警戒感を維持していることが判明した。交感神経が高ぶった状態では心拍数が高くなり、血液の循環速度も速くなることから、心血管系に負担がかかる。本来であれば夜間は副交感神経が優位となり、身体の回復が促されるべき時間帯だ。研究に携わったフィリス・ジー博士は大学によるリリースのなかで、「就寝中は光を避けるか、浴びる量を最小限に抑えることが重要です」と呼びかけている。

◆血糖値の上昇
 今回の研究では、明るい部屋で眠ることが血糖値の上昇や肥満リスクにもつながっていることが明らかになった。実験では、明るい部屋で眠った被験者たちにインスリン抵抗性がみられたという。本来はすい臓からインスリンが分泌されると、筋肉や脂肪など身体の各組織がこれに反応して血液中のブドウ糖を分解し、エネルギーに変換する。インスリン抵抗性が生じた状態では組織がインスリンに反応しづらくなり、すい臓はさらに多くのインスリンを分泌して対処しようとする。この状態が長く続いた場合、すい臓によるインスリン分泌機能が衰えてしまい、血糖値が上がって糖尿病を発症するリスクが高まる。

 ジー博士は「この研究結果は、中程度の室内照明にたった一晩就寝中にさらされるだけで、グルコース(ブドウ糖)と心血管の制御を損なう可能性があることを示すものであり、これらは心臓病、糖尿病、そしてメタボリック・シンドロームのリスク因子となるものです」と説明している。これまでにも睡眠中に光を浴びている人々が肥満になりやすいことを示す研究はあったが、本研究ではそのメカニズムを説明するものとなった。

◆都市部で多い光への暴露
 夜間の光の影響に言及した本研究は、多くの人々に注意を呼びかけるものとなりそうだ。部屋の灯りを消し忘れたまま眠った場合に限らず、室外から街の灯りが差し込んでくる場合、そして日中に眠らなければならない場合など、光にさらされる機会は意外に多い。フェインバーグ医学院はリリースのなかで、「こと大都市圏においては、室内の照明装置だけでなく家の外の光源も含め、夜間の睡眠中に人工照明にさらされる機会は多いものです」と指摘している。

 起床時の安全確保などの目的でどうしても照明をオンにしたまま眠りたい場合は、必要最小限の暗めの灯りを床に近い位置に設置するとよいという。また、白・青系統の光は脳への刺激が強いため、赤やオレンジなど暖色の照明を選ぶとよいようだ。カーテンを閉めても外の光を完全にシャットアウトできない場合、ベッドの位置を光の当たりにくい場所に移動するか、アイマスクの着用を検討するようアドバイスしている。

 日中には活力を与えてくれる大切な光だが、夜間はリラックスして眠れるよう、距離を置くことが大切なようだ。

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Text by 青葉やまと