「枕なし」で眠る…寝る姿勢によってはメリットも 試す場合のコツは?

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眠り方のスタイルは十人十色で、なかには枕を使わない方が熟睡できるという人もいる。このような寝方には単なる個人の好みを超えて、健康上のメリットとデメリットがあるようだ。枕なしで眠ると身体にどのような変化が起きるのか、そのポイントを確認してみよう。

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◆うつ伏せの場合にメリット
枕を利用した方が良いかどうかは、寝ているときの姿勢によって大きく変わってくる。大半の時間をうつ伏せで眠る人であれば、枕を取り払ってしまった方がより熟睡できる可能性がある。本来であれば背骨をニュートラルな状態に保つはずの枕が、うつ伏せではかえって不自然な方向に反らせてしまうためだ。米ヘルス・ライン誌(2019年8月29日)は、米ロチェスター大学メディカル・センターの見解として、うつ伏せで枕を使うと背骨が自然なカーブを描かなくなると説明している。枕の使用によって背中と首に負担が生じると、首のコリや頭痛などの原因になることがある。よって、うつ伏せで寝ている場合、枕なしで眠る方が快適な夜を過ごせる可能性がある。

また、米メディカル・ニュース・トゥデイ誌(2020年5月11日。以下「MNT」)は、顔の皮膚が枕で圧迫されることにより、寝ジワを招くことがあると指摘している。長期間繰り返すと、見た目の老化につながりかねない。こうした圧迫はうつ伏せで寝る場合により顕著であり、その意味でもうつ伏せの場合、枕なしが一般的に適していると言えそうだ。なお、枕を使わないとニキビが改善するとの俗説があるが、MNT誌はこの説には学術的根拠がないとしている。枕が不衛生の場合にはニキビに悪影響があるため、ニキビの有無で枕の使用・不使用を決めるよりは、きちんと洗濯して衛生的に保つ方が良いだろう。

◆推奨されないケースは……
反対に、仰向けや横向きで寝ている人々に関しては、枕なしでの就寝にデメリットがある。ヘルス・ライン誌は、「(仰向けと横向きの場合)背骨を自然な位置に保つために、枕を使うことがベストだ」と述べている。こうした姿勢で枕なしで眠ると、首が頭の重みで引っ張られた状態で一晩を過ごすことになる。首の痛みや頭痛の原因となるため、お勧めできないとの見解だ。

MNT誌も、首に負担がかかることで「人間の睡眠の質を台なしにし、首と背中の痛みを誘発することがある」と注意を促している。仰向けまたは横向きで寝る人は、特段の事情がない限り、枕を使って眠るのが得策といえるだろう。

◆枕なしを試したい場合に
もし枕なしでの睡眠を試したい場合、いくつかのコツがあるようだ。ヘルス・ライン誌は、これまで枕を使って寝ていた場合、枕なしに慣れるには時間がかかると述べている。いきなり何も使わずに寝るのではなく、段階的に高さをなくしていくと良いという。通常の枕では細かな高さ調整が難しいため、ブランケットまたはタオルを畳んだものを頭に当て、日ごとに高さを減らしてゆくと良いようだ。

スリープ・ファウンデーション誌はこのほか、身体に合ったマットレスを使うことで、枕なしの睡眠が長続きすると紹介している。適切なマットレスは良い姿勢をサポートし、枕を使っていたときの効果をある程度補ってくれる。うつ伏せに寝る人の場合、頭の枕の代わりに、ボディ・ピローと呼ばれる枕をお腹の下に当てても良いようだ。背骨の適度な湾曲をサポートしてくれる。

習慣的に使っていたり使っていなかったりする枕だが、姿勢に応じて検討することがポイントになるようだ。

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Text by 青葉やまと