奇妙な夢は脳のトレーニングのため? AIにヒント得た新説

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 夢のなかの世界は、現実を超えた風変わりな光景やアクシデントで満ちている。およそあり得ない環境と出来事に追われ、起きてから「あれは何だったんだ」と不思議に思うこともあるだろう。一見ランダムで不合理なこうした夢も、実は脳の能力を強化するのに役立っているのかもしれない。AIにヒントを得た新たな説がアメリカで示された。

◆ランダムな夢が脳の訓練に
 夢を見る理由にはこれまでさまざまな説が唱えられており、なかには本来不要な副作用という考え方や、一種の不具合によるものだという捉え方もある。しかし、今回登場した新説によると、日中の脳の機能をレベルアップするために役立っているのだという。

 私たちの日々の行動は気づかないうちに習慣化しており、毎日似たような状況のなかで過ごしている。こうした環境に身を置いていると、よく起きるパターンに対して脳が慣れすぎてしまい、「過剰適合」した状態になる。いつも起きている状況には効果的に対応できるが、それ以外の未知のパターンに対して十分に備えられていない状態だ。

 そこで、夜間にランダムで風変わりな夢を見ることで、習慣化された範囲を超えた状況のトレーニングが可能になる。こうして既知のシチュエーション以外を擬似体験し、脳の学習パターンに適切なノイズを加えているというのが新説の内容だ。この仮説は米マサチューセッツ州のタフツ大学で神経科学を研究するエリック・ホエル助教授によって提唱され、「オーバーフィット脳仮説」と名付けられた。米科学誌「パターンズ」に掲載されている。

Text by 青葉やまと