寝不足で高齢者の認知症リスク上昇 睡眠5時間以下は2倍 米調査

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 ストレスで寝付けなかったり思わず夜更かししてしまったりと、睡眠不足の夜は誰にでもあるものだ。しかし、寝足りない日々が慢性化しているとすれば黄信号かもしれない。米ハーバード大学医学大学院の関連機関であるブリガム・アンド・ウイメンズ病院は、寝不足の人々は認知症リスクが2倍になっているとの研究結果を発表した。

◆5時間以下の睡眠で認知症の割合高く
 この研究結果は同病院の睡眠研究学者であるレベッカ・ロビンス博士らによる研究チームが、加齢学の学術誌である『エイジング』誌13巻3号(2月15日)上で発表したものだ。チームは睡眠と認知症の関係を探るべく、高齢者を対象としたアンケート調査を分析した。結果、睡眠時間が5時間以下の人々は、7時間から8時間の十分な睡眠を取っている人々に比べて、5年以内に認知症を発症するリスクが2倍になっていることが明らかになった。ちなみに長く寝るほど良いというものでもなく、9時間以上眠る人々についてもリスクがやや上昇している。健康的な余生を送る人々は、7〜8時間の睡眠リズムを体に刻み込んでいるようだ。

 今回の研究にあたりチームは、米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院が蓄積しているアンケート・データを活用した。同大学院では「国民健康加齢動向調査(NHATS)」と銘打ち、65歳以上の高齢者を対象とした長期調査を2011年から実施している。このうち2013年から2014年にかけて収集されたアンケート結果を参照し、集中力や居眠りの頻度などの回答結果を分析することで、対象者が睡眠不足あるいは睡眠障害を患っていたか否かを判定した。そのうえで当人たちの健康保険の適用履歴などを追い、回答から5年以内に認知症に至った割合を算定している。

Text by 青葉やまと