2分以内に眠れる、米軍式睡眠法とは? 96%の人が成功
◆具体的な手順は?
まずはまぶたを閉じ、ゆっくりと深呼吸する。そして、顔じゅうの筋肉から力を抜く。目の周りや、舌、アゴなどにも力みが残らないようにしよう。次は腕だ。ゆっくりと肩の力を抜き、続いて上腕、下腕の順でリラックスさせる。意識を集中させながら片腕ずつ行うと効果的だ。両方の腕が済んだら、胸、腹、太もも、ふくらはぎと、身体の中心部を上から下へと緩めてゆく。これで全身がリラックスできたはずだ。
最後に脳を休めるため、次の3つのなかかから好きなものを選んで実践する。1つ目は湖に浮かぶカヌーに寝そべり、水に揺られているシーンを想像するというものだ。視界には何もなく、ただ青空だけが広がっている。2つ目は真っ暗な部屋で、ベルベットでできた真っ黒のハンモックに揺られているシーンを想像するというもの。3つ目はとくに何もイメージせず、ただひたすら「考えない、考えない……」と10秒ほど呟き続けるというものだ。選び方にとくに決まりはなく、好きなものを選択してかまわない。
パイロット候補生たちの場合、操縦席に待機した状態でも寝られるようにと、着座状態で以上の睡眠法をトレーニングするという。もちろん私たちにはその必要はなく、横になった状態で試せば良いので、より眠りに就きやすいはずだ。
◆ジャーナリストも納得
とはいえ、96%の人々が2分で眠れる睡眠法という触れ込みはにわかには信じ難いものだ。実際に試した人々の反応はどうだろうか? ジャーナリストのミカエル・グロタウス氏は、米ビジネス誌のファスト・カンパニーに寄せた記事(2018年10月26日)のなかで、試した結果かなりの効果があったと振り返っている。実際のところ最初の1週間ほどは何も変化がなく、内心がっかりしていたという。ところが9晩目から10晩目にかけて効果が現れはじめ、睡眠法を実践することで急激に眠気を感じたり、朝まで熟睡したりできるようになったという。ハンモックに揺られるところで全身の開放感を感じ、気づいたら朝というパターンが多いようだ。寝室の明かりを消した後、「その次に覚えていることは、体が休まった感覚を感じながら8時間後に目覚めたということだ」と体験を綴っている。
エッセイストのエミリー・マロニー氏がワシントン・ポスト紙上で語る経験談にも、同じような傾向が伺える。カヌーを想像するところで水から連想される心配事に思考が飛んでしまい、「最初の何日かはひどいものだった」という。そこで「考えない」を連呼するパターンに切り替えたところこれが上手くいき、5夜目までには効果が感じられるようになった。「(入眠法が)本当にリラックスさせてくれ、就寝前に感じるストレスを軽減してくれるようになった」という。氏の場合は2分きっかりで眠りに落ちることはできなかったが、それでも適切な時間に眠りにつく助けになったという。
本睡眠法は2020年に米誌で取り上げられたことをきっかけに、日本でもツイッターで話題になるなど注目を集めている。元を辿れば、いまから70年以上前の第二次大戦中に開発されたという歴史あるテクニックだ。このところ寝付きが良くないという方はぜひ取り入れてみて、本来のいきいきとした毎日を取り戻そう。
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