なぜ日本車が世界で選ばれているのか? 海外メディアの見る強みとは

♦︎SUVなど多様なカテゴリに展開
 豊富なラインナップもまた、日本車が幅広い層に受け入れられている理由の一つだ。近年人気のSUVでは、より上位の車種をしのぐほど装備を充実させたマツダ CX-9などが好評だ。ミニバンではトヨタ シエナやホンダ オデッセイなどが新鮮味で注目を浴びている。モーター・ビスケット誌は、通常はミニバンとSUVに遊び心は期待できないが、日本のメーカーがその状況を変えようとしていると述べている。

 アメリカで人気のピックアップ・トラックでも、ここ数十年で日本車を選ぶユーザーが増えてきた。ホット・カーズ誌は以前であればアメリカ製を選ぶのが定石だったが、1970年代後半ごろから日本車が頭角を現しはじめたと振り返る。頑丈で乗り心地も良く、ラゲッジスペースが広く燃費にも優れており、価格に対する価値が感じられると評判だ。

 さらにはスポーツカーの領域でも認められてきている。CNNはトヨタ 2000GTとマツダ MX-5 ミアータ(日本名:マツダ ロードスター)について、意匠も素晴らしいと讃えている。ホンダ NSXについても、デザイン性では一歩譲るものの、大衆向けのスポーツカーとして人気を博している。

 戦後の苦境に立たされた国内メーカーだが、改善を重ねることで国際的な評判を確立した。70年代の乗用車から現代のスポーツカーに至るまで、海外で広く愛用されている。

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Text by 青葉やまと