植物肉への「ステーキ」などの表示を禁止 フランスで政令

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 大豆や小麦など植物性タンパク質を原料に製造されるプラントベースフード。サステナブルな食品として世界的に注目されるなか、フランスの食肉業界が「ノー」を突きつけた。

◆「ステーキ」「ヒレ」「ハム」などラベルへの使用禁止 罰金も
 フランス政府は2月27日、植物性タンパク質に由来する代替肉製品の表示について、「ステーキ」「ハム」「ヒレ」といった肉製品の名称の使用を禁止する政令を公布した。

 植物性タンパク質由来の製品説明に21の肉製品の名称の使用を禁止するほか、ベーコンやチョリソなど植物性タンパク質を含む可能性のある特定の動物性由来食品ごとに、植物性タンパク質の最大含有量を指定した。メルゲーズ・ソーセージやコルドンブルーなど、最低限の植物性原料を含む特定の製品については、ラベルに名称の使用を認めている。

 今回の政令は5月1日から施行される。なお、フランス以外の国で製造または販売される製品には適用されない。

 この新しい表示法に違反した場合、個人には最高1500ユーロ(約24万円)、企業には最高7500ユーロ(約121万円)の罰金が科せられる。代替肉製造業者は公布日から1年間は、在庫の対象製品を販売できる。

Text by 中沢弘子