ガソリンがない……深刻な不足でフランス混乱 賃上げ求め製油所でスト

車が列をなすパリのガソリンスタンド(10月11日)|Christophe Ena / AP Photo

◆政府の介入、吉と出るか凶と出るか?
 日本人の目から見れば脅迫まがいのストがフランスで可能なのは、ひとえに同国の「ストの権利」が非常に強いからにほかならない。フランスでは、公務員や交通機関などを除き、雇用者に対する正当な要求があれば、労働者は、雇用者側の返事を待たずして、また予告なしにいつ何時でもストを始めることができる。

 フランス政府は、雇用者と労働組合の双方に、合意点を速やかに見つけ出すよう何度も呼びかけてきているが、この「ストの権利」があるため、それ以上は踏み込めないできた。しかし、今週に入ってエクソンモービルについては一部賃金交渉が合意に達したことから、11日になってエクソンモービル社員の徴集を通告した。(フランス・アンフォ、10/11)

 この政府の干渉に強硬派の労組CGTは激しく反発しており、社員徴集が吉と出るか凶と出るか、微妙な状況だ。

【関連記事】
「廃棄物」を「鉱脈」に リサイクルエネルギーめぐる動き加速
欧州、石炭火力に回帰 ロシアの天然ガスに頼れず、脱炭素遠のく
インフレ便乗値上げ? 米、ガソリン価格が前年の1.7倍に

Text by 冠ゆき