インフレ便乗値上げ? 米、ガソリン価格が前年の1.7倍に

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 2022年に入って大多数の国で新型コロナウイルス感染対策が緩和され、人々が外に出て買い物やレストラン、旅行などに出かけ始めると、景気回復とともに、たちまち物価が上がり始めた。食料品やサービス料金など、値上がりしたものは数多いが、なかでもアメリカで一般市民が最も痛みを感じているのが「ガソリンの値上がり」である。

 新型コロナ中は職場や学校が一時的に閉鎖され、在宅勤務になった人々が増えたことから、多くの人々が必要以外に出かけなくなったため、車や航空機、船舶を含む乗り物に乗る人が激減したことで、ガソリンも一時暴落した。それは一時的なもので、これまで自粛していた人々が再び外に出るようになると、すぐにまた値段は上昇。そして2月のロシアによるウクライナ侵攻により、アメリカでロシアの石油や天然ガス輸入禁止が決まると、ガソリン代金の高騰傾向にさらに拍車がかかったのである。

◆ガソリン価格は1年前の1.7倍に
 米国自動車協会(AAA)によると、新型コロナ最盛期の1年前、2021年6月の平均価格は1ガロン(約3.8リットル)約3ドル8セント(約416円)だったのが、今年6月14日にはついに史上最高値の1ガロン約5ドル2セント(約677円)まで上昇。6月26日現在は1ガロン約4ドル90セント(約661円)となっている。

 この価格は日本のガソリン価格よりも低いが、アメリカには燃費の悪い大きなトラックやSUVに乗っている人々が非常に多く、また一家で2、3台の車を持っている場合も多い。しかもアメリカ本土は国土が広く、一般的に走行距離も長いため、ガソリン代だけで月に500ドル(約6万7000円)以上払っている人々も少なくない。これが1ガロンあたり3ドルから5ドルに上がったらガソリン代は約1.7倍程度になり、単純計算でもいままで500ドルだったのが850ドル(約11万5000円)になるのである。

Text by 川島 実佳