ワイン名産地がベルギーに? 異常気象に苦しむ仏ブドウ園 ワインの味とアルコール度数が変化か

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 今夏のヨーロッパの記録的な干ばつと熱波は植物のサイクルを狂わせており、イギリスやフランスでは8月から落ち葉が舞う「まるで秋」の風景がそこここで話題に上った。ブドウの収穫も例外ではなく、これまで秋と決まっていたものが今年は3~4週間前倒しで始まっている。フランス・ラングドックに至っては、7月末開始という早さだった。フランス以外にイタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ルクセンブルクなどでも収穫時期の前倒しが行われている。このような生育の変化がワインの味にも影響を与えるのではないかと懸念されている。

◆満足できる収穫量
 フランスでは、2022年の収穫量は4260~4560万ヘクタール(1ヘクタールは100リットル)と見積もられている。これだけ見れば満足できる量だ。昨年は、春になってから広範囲に霜がおりたため、収穫量が3750万ヘクタールしかなかったからだ。(ウェスト・フランス紙、8/26)

 しかし、暑さと水不足の影響で品種や地方によっては実のなり具合がもうひとつのようだ。実が小さくても熟れすぎないように早期に収穫するか、一雨降るのを待つか、ブドウ園はそれぞれに頭を悩ませた。

Text by 冠ゆき