日本行きたいのに、いつまでセミ鎖国? 続く厳しいコロナ入国規制、海外が危惧

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 日本の国境開放がなかなか進まないことにこれまで海外から不満の声が上がっており、政府は国内外からの圧力を受けて6月1日から一部のビザ保有者や団体観光客の入国を認めた。しかしこのところの新型コロナウイルスの感染の急拡大で、入国規制緩和の動きに支障が出かねない。他国が次々と規制を緩和・撤廃するなか、日本の鎖国継続の代償の大きさも指摘されている。

◆他国より被害少ない それでも厳しい規制
 アジア太平洋地域の政治・経済関連プラットフォーム、イースト・アジア・フォーラムの記事は、現在日本は中国を除き最も新型コロナによる死亡率の低い国であり、3回目のワクチン接種率はアメリカ38%、オーストラリア54%、イギリス59%に対して64%であると指摘。しかし岸田首相は昨年11月のオミクロン株の到来で規制緩和を劇的に覆し、東アジアの国境開放の流れに逆行して海外を呆然とさせたとしている。

 英エコノミスト誌は、日本はパンデミックを通して民主主義国家のなかでも最も厳しい国境管理を維持してきたと述べる。いまのところ長期滞在ビザ、ビジネスビザ、学生ビザを保持する外国人の入国は認められているが、観光客は団体ツアー参加者のみで個人旅行者はまだ入国できない。このような政府の対応を「ネオ鎖国」と呼ぶ人もいると同誌は皮肉を込めて説明している。

Text by 山川 真智子