日本が待望の“開国”も…試験ツアーに落胆する海外

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 日本政府は現在の新型コロナの水際対策を緩和し、6月以降外国人観光客の受け入れを段階的に再開することを検討している。インバウンド再開に先立ち、感染防止対策の実証実験として対象や人数を絞った訪日ツアーを行うと発表したが、日本の開国を待ち望んできた海外からは、この方針に落胆する声が聞かれる。

◆旅行業界、政府に猛プッシュ インバウンド復活なるか?
 実証実験となる訪日ツアーは5月中に実施される予定で、対象となるのは比較的感染状況が落ち着いているとされるアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4ヶ国だ。ワクチンの3回接種が参加の条件となり、規模は50人程度になると見られる。

 パンデミック前の2019年には過去最高の3190万人の外国人観光客を迎え、総額4兆8100億円の消費を引き出し、大いに盛り上がっていた日本のインバウンド観光だが、その後の厳しい水際対策で事実上消滅した形だった。国内の旅行会社や航空会社は、このまま外国人観光客を締め出し続ければ日本観光が忘れられてしまうという危機感を抱いており、インバウンドの復活こそ経済回復に欠かせないとして、早期再開を国に要望している。

Text by 山川 真智子