純利益が6~10倍、大手海運業者にカルテルの疑い バイデン大統領「不当な値上げを取り締まる」
◆「コンテナ不足」は自作自演?
このようななか、バイデン米大統領は3月1日の一般教書演説のなかで、資本主義における企業間競争の大切さを説き、海運会社を厳しく批判。これらの企業を取り締まると発表した。
アクト・アンテルナシオナルによると、続く3月2日には米国議会監視改革委員会が同日付書簡で、CMA CGM、APモラー・マースク、ハパック・ロイドの3社に公開質問を行った。そのなかで、当局が説明を求めたのは主に次の3点だ。
1)2021年9月9日~2022年2月1日に受けつけられないとした運送容量について
2)海上輸送による収益が、運用コストをはるかに超える理由
3)今後運賃を引き下げるために取る手段
この3社は上述のように決算を公開しているため今回の調査対象になったが、ほかの大手海運会社にも同じ疑いがかけられている。すなわちカルテル行為の疑いだ。また「コンテナ不足」に人為的な操作があったのではという見方も消えていない。
ロードスターは16日、「APモラー・マースクが『サプライチェーンの混乱に関する継続的な調査』に関連して、米国司法省(DOJ)に召喚された」と報じた。ほかの海運会社も召喚されたかどうかは不明だが、「海上運送費の高騰は、サプライチェーン全体に影響を及ぼし、インフレを助長し、各種企業や消費者に問題を引き起こした」(ル・ジュルナル・ド・ラ・マリヌ・マルシャンド、3/13)ことを重く見るバイデン政権が、調査を徹底する意志を持つことは確かだ。
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