世界の物流を悩ませる深刻なコンテナ不足 新型コロナ影響

Steve Parsons / PA via AP

 パンデミックを起因とする経済活動の制限は、物流にも大きな影響を及ぼしている。世界的な航空便の減少は、航空輸送費を上昇させた。海上輸送運賃も上昇を続けている。その理由は「世界的なコンテナ不足」にある。

◆航空貨物輸送費の上昇
 もとより、貨物輸送は、ルートや運ぶものの量にもよるが、空、陸、海の順に速く、値段もそれに比例して高くなるのが常識だ。たとえば、中国とヨーロッパ間は、航空輸送であれば5日で届くが、鉄道輸送だと最大で25日かかる(『RailFreight.com』10/22)。これが海上輸送だと、中国内陸部から港までの輸送日数も入れると2ヶ月近くかかる(JETRO)。『RailFreight.com』によると、10月の時点で、「Covid-19の発生により航空貨物サービスが著しく減少した」ため、航空貨物輸送の価格が上昇し、鉄道貨物輸送費と比べて4倍だった5トンの航空輸送費が10倍になった。それが理由というわけではないだろうが、日本通運は、中国―欧州間の鉄道貨物輸送を来年から倍増させると今秋発表した。

◆コンテナ不足の悪循環
 しかし、現在、物流業界で最も深刻なのは海上輸送におけるコンテナ不足である。とくにコンテナ不足に悩む中国は、その理由として「中国の輸出の急増と、コンテナが戻ってくるローテーション率の低さ」を挙げている(ザ・マリティム・エグゼキュティブ誌、12/29)。その理由をたどれば、やはりパンデミックに行き当たる。9月の時点ですでにコンテナ不足に言及している国際貿易コンサルタント、アクト・アンテルナシオナルは、「制限解除以来、中国からの輸出が急増し、コンテナ不足を引き起こしている」と述べる。確かに、中国は世界に先駆け経済活動を再開した国だ。ローテーションの低さもまた新型コロナが原因だ。国際物流会社Qualit Air&Sea社によれば、「(世界各地の)ロックダウンは商品の流通に影響を与え」、北米や欧州に貨物を運んだコンテナがそのままデポ(保管所)に留まる事態が頻発した。実際、物流業界の情報サイト『ザ・ロードスター』は、空のコンテナがデポに留まる時間は、現在世界平均で45日間ものの長さだというドイツ企業フラウンホーファーCML社とコンテナーxチェンジ社の調査を紹介している。

Text by 冠ゆき

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