一人勝ちの中国経済 7-9月期GDP4.9%増、2期連続プラス

Chinatopix via AP

◆日米欧とは対照的 厳しいコロナ対策が成功
 中国は今年、主要経済国のなかで唯一、経済成長すると見られており、国際通貨基金(IMF)は、今年の中国の経済成長を1.9%と予測している。アメリカのマイナス4.3%、フランスのマイナス9.8%、ドイツのマイナス6%、日本のマイナス5.3%とは対照的な数字となっている。

 この違いを生んだのは、中国政府が実施した厳しいコロナ対策だ。NPRは、中国のドラマティックな経済回復は、大規模かつ強制的な検査と隔離政策にあるとし、これにより1日あたりの感染者数は一桁台になったと述べる。集団感染が起きればすぐさま地域内での封鎖や規制でウイルスは封じ込められるので、ほかの地域では通常の経済活動が続けられるとしている。

◆成功の裏に不安も 鍵は消費に
 一人勝ちに見える中国経済だが、問題点も指摘されている。NPRは、他国に比べ回復が早かったことで、中国は今後も製造業やコモディティ分野での輸出のシェアを伸ばしていくことが予想され、これが今後の米中対立をさらに激化させる可能性があると見ている。

 輸出は好調でも、消費の回復はおとなしめだとWSJは述べる。10月の国慶節の休暇中に使われた金額は昨年の70%ほどで、映画館の興行収入も記録的成績だった昨年より23%減となった。鬱積した需要、長い休暇、国境閉鎖による国内旅行の拡大などでもっと消費が見込めると思われていたため、強力な消費の回復に懸念が示されたとしている。

 民間のアナリストによれば、最大で1億3000万人が少なくとも一時的に職を失っているという。これは中国の都市労働者の30%にあたる。また2500万の仕事が今年永久になくなったということだ。共産党政府は5月に新たに900万の仕事を作る約束をしたものの、日米のような現金給付はすでに膨大な国の負債をさらに増やすことになるとして避けてきた(AP)。

 NPRによれば、失業者の多くは仕事を求めて渡り歩く出稼ぎ労働者で、新しい職にもつけず失業手当の対象にもならないという。北京の市場調査会社Gavekal DragonomicsのアナリストHe Wei氏は、全般的にいまの回復は生産設備やインフラへの投資にけん引されており、消費、とくに低所得者関連の消費回復が遅れているとする。不平等が再度広がるだろうとし、これが消費拡大の重しになりそうだと指摘している。

Text by 山川 真智子

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