「培養肉」食べる心の準備は? 味・価格の競争力向上、もうすぐ市場へ

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 2013年に、動物の細胞を培養して作られた「培養肉」のハンバーガーが、オランダの研究班によってはじめて世界に公開された。当時5オンス(約140グラム)のハンバーガー・パティ1枚のコストは、推定33万ドル(約3500万円)とされている。現在ではコストは低下し、生産スピードも上がっているという。数年後には市場に出回ると見られており、食に革命を起こすのではと注目されている。

◆理想の肉……生産から流通まで革命
 英科学誌ニュー・サイエンティスト誌は、現代の肉の需要はこれまでになく高いが、従来の生産方法では持続不可能で倫理的にも好ましくないと述べる。世界の人口は増え続けており、2050年までにはさらに20億人増加すると見られている。肉の需要も70%伸びると予測されているが、土地や水といった限られた資源へのプレッシャーは高まるばかりだ。畜産経営による温室効果ガスは世界の排出量の15%を占め、牧場の拡大は森林伐採につながる。培養肉ならこういった問題には無縁だ。

 従来の肉が培養肉に切り替わるということは、動物愛護の観点からも好ましいとフォーブス誌に寄稿したジャーナリストのスーザン・ロウ氏は指摘する。企業の合併買収と戦略アドバイザリーを専門とするAquaa Partners社のPaul Cuatrecasass氏は、もはや家畜を飼育することも、屠殺、加工、輸送する必要もなくなるとし、西欧諸国で動物を食肉にすることは、すぐに減るのではないかとしている。安全で、衛生的、生産調整がしやすいという利点のほかに、各地で生産可能になるため、サプライチェーンが再構築され、コロナ時代のいまには有益と見られている(フォーブス誌)。

Text by 山川 真智子

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