貿易戦争で苦境、米の大豆農家 終わらぬ痛み、揺らぐトランプ氏への信頼

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 アメリカは中国からの2000億ドル(約22兆円)の輸入品に対し、関税を10%から25%に引き上げた。これに対し、中国はアメリカからの600億ドル(約6.6兆円)の輸入品に最大25%の関税を課す報復策を打ち出した。ところが、アメリカはさらにまだ関税を上乗せしていない3000億ドル(約32.9兆円)分の輸入品に対しても、関税を引き上げる動きを見せている。激化する米中貿易戦争は、トランプ支持者が多いアメリカの農家にも打撃を与えており、とくに大豆生産者にとっては深刻な状況だ。

◆大豆価格低迷 農家の疲弊深刻
 大豆はアメリカの農産品輸出では稼ぎ柱だが、2018年の中国への輸出は16年ぶりの低さとなった。他国への輸出でカバーすることもできておらず、5月13日には大豆先物は2008年以来の最安値を記録している(ロイター)。

                                                                                                                 

 米NBCによれば、米中西部ではトウモロコシや大豆は作付けの時期を迎えたが、洪水などの悪天候に見舞われ、例年の半分ほどしか作業が完了していないという。収穫時期の秋までには、米中貿易戦争も解決するのではと願っていたが、ここにきてさらなる関税の報復合戦が始まり、農家にとっては終わりの見えない悪夢となっている。

 アイオワ州の生産者は、これまでは辛抱してコストを抑える努力をし、蓄えに手をつけ、借金をし、株を売り払って繋いできたと述べ、業界全体が同じ状況だと嘆いている。報復関税合戦で株式市場は揺れており、これが農家の財政状態をさらに悪化させることにつながるとNBCは指摘している。

Text by 山川 真智子

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