ヘンリー王子とメーガン妃のウェディングから学ぶパーティーの経済学

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著:Jonathan Seatonラフバラー大学, Reader in Business Economics)

 あるウェディング企画会社の推計によると、2018年5月19日のヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングのコストは3,200万ポンドと見積もられた。しかし、社会的費用は2011年に開かれた兄のウィリアム王子とキャサリン妃のウェディングに比べると、はるかに小さく抑えられたようだ。ちなみに後者のコストが膨大にふくらんだのは、それによって祝日が1日増えたことの影響が大きい(=生産が滞る日が1日増えた)。

 もちろん3,200万ポンドは、1回のパーティーに使われる費用としては大変な金額だ。だが、そこから得られる利益がコストを上回る場合には、その支出は十分、正当化できる。今回のロイヤルウェディングや、そのほかに開催されるメガイベント等を正当化するために最も重要なポイントは、そこで使われる資金に、長期的なプラスの影響力を持たせることだ。

                                                                                                                 

 それからまた、パーティーの社会的な効用もある。つまりそのイベントをきっかけに、家族や友人、同僚、隣人たちとのより良い関係が築かれる、というものだ。これはあらゆるイベントにおいて重要な要素である。したがってこの効用も、けっして低く見積もられるべきではない。

 イベント実施において大きく問われるひとつのポイントは、 「最終的にどのような効果がもたらされるのか?」という点だ。さらにつきつめて言えば、経済学者が「乗数効果」と呼ぶものこそが問題となる。単純な例を考えてみよう。今回のロイヤルウェディングのコストを算定した企業によると、パーティーの総支出額3,200万ポンドのうち、2万6,000ポンドが、出席者2,640人分のソーセージロールに費やされたという。この取引の結果、ソーセージロールを納品した企業の収益と社員給与は増加する。そしてその増加分が、さらにそこから、より広い経済全体へと還元される。通年で見た場合には、最初の支出の2万6,000ポンドが、最終的にはその金額よりもはるかに大きな追加的な利益を生み出す可能性がある。

Text by The Conversation

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