新たな不動産投資先として注目集めるデータセンター

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 事業用不動産サービスおよび投資顧問会社のCBREは、データセンターに関する最新レポート「新たな投資対象としてのデータセンター」を発表した。本レポートによると、不動産投資先としてデータセンターへの関心が徐々に広まっているという。不動産投資でデータセンターというのはあまり聞き馴染みがないが、データセンターはホテルや物流施設、住宅、オフィスといった不動産アセットよりも高い利回り水準にあることがわかり、投資家にとって魅力のひとつとなっているという。

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 また、国内のデータセンター新設数は伸び悩んでおり、データセンターの不足感が高まってきている。一方、データセンターに対する実需については、今後も拡大が続くことを示唆する調査結果が多く報告されており、こうしたトレンドが新たな不動産の投資先として注目を集める背景になっている。

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CBRE

 本レポートは、データセンター用地を確保する上で課題となるポイントを指摘し、好立地を確保するための戦略を提案している。データセンターの立地を選定するためのポイントは、①電力確保、②通信品質、③自然災害リスクの抑制の3点に集約できるという。具体的には、「6万ボルト以上の特別高圧による受電を確保可能」、「都心から50km圏内」、「自然災害リスクが低い地域」の条件が揃えば、データセンター用途として好立地と言えるという。昨今は、特に電力確保に時間がかかることがデータセンター用地確保のボトルネックとなっているという。

 データは新しい石油とも呼ばれる、ビジネスを成長する上での重要性は高まる一方だろう。こうしたビッグデータのトレンドが続く限り、データを収める不動産アセットであるデータセンターに対する投資家の期待は高まり続けるのではなかろうか。

Text by 酒田 宗一